本物のスライダーを投げたのは誰か?

稲尾和久

入団当初はストレートがナチュラルにシュート、スライダーしていたという。2年目のシーズンに本格的にスライダーの取得に取り組んだ。

スライダーあってのシュート、シュートあってのスライダーで効果を発揮したと稲尾が語る。現に対戦相手の野村克也は「あいつはシュートピッチャーだ」と言っていたとう。

 それ程自信を持っていた、シュートをある年、野村克也に完璧に打ち返された。何故、打たれたのか不思議でしょうがなかった、がその年の球宴で南海の投手が、「野村は、バックスイングの時に握りを見てシュートを見破って打っている。」と聞いた。それ以降、ボールの握りをストレートに近い形に代えた。

スライダーといえば稲尾和久

そから、稲尾の伝説が始まる。シュートを習得した事でスライダーがより効果的になった。そのスライダーは当初、自分にとっては決して三振を取る為のボールではなかったが42勝を挙げた61年に三振を取れる様になった。鋭く、大きく曲がる様になった。奪った三振は353個でこの記録は、今もパ・リーグ記録である。

この年、稲尾の完璧なスライダーが誕生した。

北別府学

20世紀最後の広島のエース

入団当初はストレート、カーブ、とナチュラルシュートしか投げられなかったという。この事は、面白いことにスライダーの名手、稲尾和久と共通しており、ナチュラルシュートという点まで同じである。

2年目の春に、当時のピッチングコーチの竜憲一にスライダーだけは覚えろと言われ、教わったという。その握りは引退するまで同じだった。

 その投球術の武器になったのは、もとろんスライダー、シュートの揺さぶりである。この北別府も稲尾同様、シュートあってのスライダーの使い手である。

北別府のスライダーの特徴はストレートと同じような投げ方をする為、コントロールミスが少なかった。右打者に対してのインコースから入るスライダーも、東尾修同様に多様した。

特に左打者に対しての外からのスライダーを投げるのが得意で、見逃しでカウントをかせぎ、慌てて打ってもファウルになった。

シュートは小さく曲げて、大きな故障もせずに晩年までカープのエースとして君臨し213勝を挙げた。

完全試合を逃した西口文也

2度ノーヒットノーランと完全試合を逃した唯一の男

東尾修監督から、曲がりが大きくなるからあまり練習するなと言われたという。

大学生の時に、それまで武器にしていたカーブがあまり曲がらなくなった為にこのスライダーは自己流で取得。

変化に違うスライダーを2種類投げているが、本人は、落とすとか、空振りと取るとかという意識はなく、スライダーのサインはひとつで、あえて言うなれば「ひらめき」だという。

 スライダーは生命線で、カウント球でもあるし、ウィニングショットでもあり、この球が通用しなくなった時は引退すると、語っていました。

完全試合を達成した槙原寛己

デビュー当時は、真っ直ぐとカーブだけのパワーピッチャーでしたが、30代になってスライダーを操るようになってから再び開花。

なんと、セカンドを守っていた篠塚から、スライダーを教えてもらったと言いう。     槙原の投げるスライダーは、今でいうカットボール系の手元で、小さく曲がり、アウトコースにきっちりコントロールされたボールでした。                                  

このボールを駆使し、1994年5月18日の福岡ドームでの広島カープとの試合で平成最後の、いや、あれから、現在まで長く達成されていない完全試合を達成しました。 

 

コリアンエクスプレス宣銅烈

韓国リーグで7年連続最多勝、シーズン7完封、シーズン防御率0.78など、韓国で投手部門で圧倒的な成績を残し、日本の中日ドラゴンズへやって来ました。

最初のシーズンこそ、打ち込まれるケースがありましたが、2年目は抑え投手として活躍。ドラゴンズのリーグ優勝に貢献しました。

宣銅烈 のスライダーの特徴は、テレビ画面から見ても、大きく横に曲がり落ちるスライダーで、このスライダーは握りも独特でした。一刺し指を立てるように握り、まるでナックルボールの様でした。伊藤智仁のように三振の獲れるスライダーを投げていました。

しかし、私の中では、日韓スーパーゲームと題して日本で開催された、親善試合での投球が印象に残っています。日本の打者、落合博満含む6打者から5連続三振を奪ったのです。しかも、あの時、本人は、右足首をねん挫していて、万全ではなかったと言います。

前人未踏の407セーブの岩瀬仁紀

ストレートの軌道で左バッターボックスの所から、急激に曲がりアウトコースへ放たれるスライダー。実は左バッターよりも、右打者の方がインコースに食い込んで来る為に打ちづらい。

春のキャンプの1年目のブルペンの投球練習で、正捕手中村武捕手が1球、受けただけですぐに交代しました。145キロのボールが直前に曲がって、突き指をした為「いくつ指があっても足らんわ」と言ってブルペンから出たそうです。          実は、きれいなフォーシームのストレートは投げられない。

 

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