先日、(2021年5月4日)根尾昂がプロ初打席で満塁ホームランを打ちました。
3回の表の第二打席、満塁の場面で、カウント2-0から、投手大貫の142キロのツーシムを振り抜き右中間への125メートルの完璧のホームラン。プロ野球史上87人目、セ・リーグ32人目、そしてドラゴンズでは過去、2人しかいない希少な記録です。
1970年のジム・バビー、そして1950年のフォークボールの神様杉下茂。つまり、日本人選手では71年ぶりとなる快挙となりました。
1970年4月12日、後楽園球場でのジャイアンツ戦、この年、ロサンゼルス・ドジャースから入団したジム・バビーは、山内新一から満塁ホームランを放ちましたが、その後は目立った活躍はなく打率0.188と振るわず、同年限りで退団となりました。
神様の一発
1950年4月21日、佐賀祐徳球場での西日本戦での試合。先発投手の杉下は6回の表に野本喜一郎から左翼スタンドへの満塁ホームラン。両翼91.4メートル、センター109.8メートルの昔ながらの小さな地方球場でした。
当時の観衆は1000人、ドラゴンズは4本塁打を放ち、12―1で圧勝しています。
生涯8本塁打の杉下でしたが、投手の満塁ホームランは当時、セ・リーグ初の出来事でした。そして、佐賀祐徳球場でのプロ野球公式戦はわずか2試合。現在、佐賀祐徳球場の跡地は来訪者駐車場となっています。
野球の絆は繋がっている
余談ですが、杉下からホームランを打たれた野本喜一郎は、プロ通算18勝でプロ野球を去りましたが、上尾高校の監督になり、今、ドラゴンズの2軍の二村徹を育て上げました。
そして、その二村監督に鍛えられ1軍に上がってきたのが根尾昂です。
現役時代の二村徹みたいに勝負強いバッターになって欲しいですね。
場内の誰もが万歳!
ドラゴンズのファンは、誰もが、根尾の成長を見守っています。あの満塁ホームランでさえ、試合序盤での出来事でしたが、場内の誰もが万歳をし、面白いもので、もう勝った気分でいました。
太い眉よもっとたくましくなれ
古くは、山崎武、最近では高橋周平がそうでした。ドラゴンズファンは、高校生のドラフト入団の選手の、生え抜きの選手に育って欲しいのです。どこかの球団のようにお金で優勝を買って欲しくない。
準地元、岐阜出身の根尾の太い眉と笑顔、一生懸命でひたむきな姿が皆、大好きなのです。