入院中の危篤だった木下雄介選手が、8月3日に死亡していた事が判明しました。
ショッキングな出来事です。あの魂のこもったストレートはもう二度とみられません。思えば、プロ初セーブの時も、しつこいくらいストレートばかり投げていました。
7月6日のナゴヤ球場でトレーニングをし、グランドで練習中に倒れました。その後、心肺が停止してしまった為、トレーナーが駆け付けAEDの蘇生措置をして、名古屋市内の病院に救急搬送されました。しかし、意識は戻らず、8月3日に豊明市内の病院で亡くなりました。
ドラゴンズでは、6月28日に新型コロナウィルスのワクチンの職域接種を受けており、ワクチン接種との因果関係はわかっていません。
波乱万丈な野球人生
木下雄介さんは、駒澤大学時代に右肩を壊して中退しました。
不動産会社にてアルバイト生活をしていましたが、四国選抜チームで同期だったジャイアンツの増田大輝が四国アイランドリーグで活躍しているのに刺激を受け、NPBを目指して、四国アイランドリーグ徳島インディゴソックスにテスト生として入団。
しかし、ブランクの影響が大きく、初年度は防御率も5点台。2年目は防御率3.45でしたが、北米選抜チームに選ばれるなどして注目をされてきました。
そして将来を見据え2016年ドラゴンズが、支度金200万で育成選手として契約。入団会見では妻子と一緒に会見場に現れました。
2018年に育成選手で唯一春のキャンプに参加し、その年の春、支配下選手となりました。
2020年には、1軍に上がり、9月5日のヤクルト戦の10回裏に登板。最速152キロの速球を投げ2点を守り、嬉しいプロ初セーブを上げました。
プロ入り初セーブこの試合は、ラジオ実況放送で聞いていましたが、この日の投球は真っ直ぐばかりで、気持ちのこもった熱い投球をしていました。きっと、今までの苦労した思いがボールにぶつけていたのでしょう。
今年の春のキャンプで、評論家で元、タイガースの藤川球児さんが12球団でナンバーワンになれるストレートと絶賛していました。ホップ率が非常に高く,ボールの回転軸も地面に対して垂直で打者から球が浮きあがるように見えると評していました。
しかし、何故、木下選手だけこんなに不運が重なるのでしょう。
重なる不運
2019年にお父さんの交通事故で不慮の死。清掃回収業務中に車にはねられてお亡くなりになりました。
2020年には1軍キャンプにて右足首(腓骨筋腱脱臼)を負傷し、手術し復帰までに4カ月を要しました。
2021年 最後のオープン戦で登板中に右肩脱臼の大けがをしてそのまま、担架で運ばれて病院へ。
手術後に新たに右肘に靭帯損が判明してトミージョン手術を行いました。
父親が亡くなった時も、「どんな時も仕事は絶対に休むな、」が口癖だったとの事でその日も2軍戦に登板し、翌日も通夜が営まれているにも関わらず、暗い顔も見せずに練習に参加をしていたそうです。
ドラゴンズの選手達は6月28日に新型コロナワクチンの職域接種を受けています。まさか、木下選手、この時もお父さんの言いつけを守ってしまったのでしょうか?ワクチン接種後にトレーニングを再開したと聞いています。すぐに激しい運動をし過ぎたのではないでしょうか?
享年27歳。ご冥福をお祈り致します。