■今回のオールスターは昨年なかったせいか、第1戦から見どころたっぷり。
まずは、初回の攻撃で2番の森友哉が尻もちをつき倒れ込むようなフルスイングで球場をどよめかせました。そして、レアードがホームランを放つと、お得意の寿司パフォーマンスをして、松田選手にプレゼント、どうやらネタは「ウニ」だったらしい。とにかくパ・リーグベンチの盛り上がりがテレビ画面から溢れていました。
しかし、後半はセ・リーグのペースで試合が進みます。
近本がオールスターの記録に残る7打席連続ヒットを放ち反撃すると、6回には岡本和真がまさかの盗塁をして菊池の逆転ホームランを呼び込みました。そして、ジャイアンツ、ビエイラが大谷翔平の162キロを更新する163キロを連発して、パ・リーグを抑え込むと、9回にまさかの出来事が・・・。
9回ノーアウト1、2塁のチャンスを作ると、原監督は次打者ヤクルト中村悠平になんと!オールスターでは大変珍しい、送りバントのサインを出しました。
これを難なく決め、ランナーが2、3塁となると、近本選手を工藤監督がなんと!申告敬遠。9回2死満塁、フルカウントの緊張の場面で、打席の中野拓夢は2球ファウルしたあと四球を選び、これが決勝点となりました。
2年ぶりのオールスターで、和気あいあいの試合運びかと思いきや、終盤はもつれて真剣ムードとなり、皆、勝負師の顔になってきました。
■第2戦はなんといっても大島選手のホームスチール未遂事件。
8回の表、2アウト2,3塁、鈴木誠也の打席でフルカウントから、なんと三塁ランナーの大島がホームスチールを敢行。楽々セーフでホームスチール成功のタイミングでしたが、ツーストライクに追い込まれていた為に、鈴木誠也はこの球を打ってセカンドゴロ。
この場面、見逃せばストライク三振で無得点になる為、打たなければなりません。
ノーサインだったらしく、この、突然の出来事で、ランナー大島がベース上に現れる危険なプレーの中、バットを出した鈴木は大島以上に見事でした。
そして、もう一つの驚きは、ソフトバンクの栗原選手が三塁、左翼、捕手、一塁を守り、オールスター史上初の4ポジションの守備位置に就いた事です。オリンピック代表選手としてもユーティリティーぶりを発揮して欲しいですね。
共に注目のスラッガー佐藤輝明、杉本裕太郎が期待通り、いずれもホームランを打ちましたが、楽天の島内が決勝タイムリーを放ち、4-3でパ・リーグが勝利。島内がMVPを獲得しました。
そして、第1戦に続きここでも原監督が一石を投じました。
7回のタイガースの梅野が、杉本のタッチプレーを巡り、原監督が、シーズンさながらのリクエストを要求しました。このリクエストが実り、セーフからアウトへ判定が変わり更に、球場を盛り上げました。
原監督は第1戦インタビューで
「個性を出して勝利する事が目的」。
「2年ぶりのオールスターでしたが、ファンあってのプロ野球」と語っていたことが印象に残りました。
今回のオールスターは、コロナ禍の中での開催でしたが、野球界を盛り上げようと選手たちの一生懸命な思いが伝わりました。これからも、夢の球宴であって欲しいですね。
選手の皆さん、後半戦も、いいパフォーマンスを魅せて下さい。