名スカウト片岡宏雄

ヤクルトスワローズの編成部調査役。

引退後、ドラフト会議を題材にしたコラムを産経新聞に掲載したのが評判を呼び、その後ヤクルトスワローズのスカウトとなる。

古田敦也、土橋勝正、高津臣吾を発掘し、日本一の球団となる。特に、古田のドラフト指名の裏話、尾花高夫に会いに行く時に高野山の麓の山の上ある実家まで出かけて、交わした言葉のやりとり

新日鉄堺の監督が「練習が好きすぎて困っとるんや」という、エピソード。

度会博文は草野球をプレーしていた時ににつけてドラフトで取った、地味な選手が出てくる。しかし、良かったのは、ヤクルトいう球団の体質、ほのぼのした球団の環境。、また、

関根、若松監督といったほのぼのとした監督のしたでプレーした事。やはり、球団を強くするには、球団の環境、入団した選手は育てる環境、コーチ、監督が大事だということがわかる本です。

球が指先にひかからないピッチャーはあ駄目。ピッという音がする。

肘が柔らかく指先の使い方で見抜く。

バッターは球のつきで見抜く。いろんな球を投げるピッチャーのタイミングを上手くとっていく事。

息をはずませながらやってきて、「尾花、俺はどうしても君が欲しいんだ」

意外にも、著者が入団したのは中日ドラゴンズだったのには驚きです。

夢の実現三浦番長とバッテリー

三浦番長と黒羽根のウソの様なホントの話し

99年に当時小学校5年生だった黒羽根少年は、上大岡駅前で行われたトークショウで花束を渡した。その際に「将来バテリーを一緒に組もう」と約束。

それから、月日が流れて2005年の高校生ドラフト3位でベイスターズに入団。

しかし、打撃に課題があり、黒羽根はベイスターズの正捕手、細山田、鶴岡の両正捕手の厚い壁に阻まれ、なかなか一軍に定着出来なかった。

 そして、2011年8月14日、ついに三浦投手とのバッテリーが実現。あれから、12年の月日を経て夢が現実となった。
しかも、この試合、あわや、完全試合かと思われるほどの好投で7回2/3を2安打無失点で通算140勝を挙げた。

こんな、夢の様な事が現実にあるなんて、野球とは、なんてドラマチックなストーリーなんだろう。

三浦のコメント

良いリードで引っ張ってくれて、感慨深い試合でしたね。何回も助けてくれたし、自信を持ってサインを出してくれたんで、自信を持って投げることができました。

黒羽根捕手へのインタビュー

「夢がかなって、勝って、最高です。(三浦投手は)いい球をどんどん選択してくれたし、相手もどんなリードするか分からなかったのも良かった」

デーブの大久保起死回生の一発

93年のオフ、西武の野球に溶け込めず2軍でくすぶっていた大久保が巨人にトレードされました。

その次の年、94年の日本シリーズで、古巣の森西武と対戦することになったのです。

巨人の2勝1敗で迎えた第4戦。4-5で迎えた9回2死無走者の場面。

あと、ひとりで巨人が負ける。この場面で長嶋茂雄監督は、代打で大久保を起用しました。
 マウンド上は左腕の杉山賢人投手。初球ボール、あとは2球連続で空振りして簡単に、ツーナッシングと追い込まれました。

亡くなった親父に初めてのお願い

そのとき、大久保博元は打席の中で、3歳の時に亡くなった親父に初めてお願いしました。

 「オヤジ、このまま三振で終わったんじゃ、森監督がオレを『トレードに出して正解だった。どうせ、あれくらいの選手だよ』って言うだけだ。せめて、ファウルくらい打たせてくれ!」と。
  

奇跡が…
 そうしたら奇跡が…。投球に合わせてテークバックしたとき、西武の伊東勤捕手の黒いミットが視界に入ったのです。「ライオンズ伊東」という金色の刺繍が目の前に見えた。瞬間的に「高めの直球だ」と察知し、フルスイング。すると打球はレフトスタンドへ一直線。     レフトスタンドへ吸い込まれました。
起死回生の同点ホームランです。後にも先にも、打つ直前に相手捕手のミットの刺繍が見えるなんてことはありませんでした。まさに親父と神様が打たせてくれた一発だったのです。
ホームインしたボクは、相手ベンチにいる森監督に向かって、どれほど「どうだ」とばかりに指をさしてやりたかったか。
 

試合は結局、延長戦で巨人が負けましたが、西武を出された大久保が、ジャイアンツで見いだされ、9回の土壇場で古巣相手にやり返した、胸のすくような一撃でした。

泣きながら素振りをした衣笠祥雄

衣笠祥雄の若いころの失態

当時、広島の打撃コーチだった関根順三氏は合宿所に泊まっては若手選手の指導をしていた。

衣笠には毎晩数百回の素振りを課し、関根コーチ自身も深夜まで付き添っていた。

毎夜のマンツーマン指導の成果が出て衣笠はなんとかレギュラーに定着しかかっていた。

ある日の市民球場での試合後、『今夜ぐらいはいいだろ』と
衣笠は酒を飲みに出かけた。久し振りの外出で、つい時も忘れて飲み続け
したたかに酔っ払って合宿所に戻った時にはとっくに門限が過ぎていた。

衣笠が合宿所の玄関からそっと上がろうとしていると
浴衣姿の関根コーチがスーッと現れた。
「しまった。ドヤされる。」と衣笠は思ったが関根コーチはただ
『遅かったなサチオ、さぁ、今夜もバットを振ろうや』と
あの何とも言えない優しげな表情で衣笠にバットを差し出す。

真夜中の合宿所の玄関先でいつものとおり、ふたりきりでの素振り練習が始まった。
衣笠は酔いの中でバットを振りはじめたが意外にも関根コーチは門限や飲酒のことには一切ふれず
ただ淡々といつも通りの指導をするだけ。

衣笠の心にはよけいににこたえた。
「関根コーチとの素振りの約束を勝手に破ってしまった、少しくらい打てるようになって、いい気になっていた、レギュラー出場を当たり前と思い込み始めて油断していた」
弱い自分の情け無さ、関根コーチへの申し訳無さと有り難さで衣笠はそれから、ワンワン泣きながらバットを振り続けた。

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