それは東京ユニオンズ対阪急戦での出来事。
1点を追う東京の2回裏の攻撃は、ノーアウトランナー1塁2塁。
バッターは大塚弥寿男が打席に入った。ここで送りバントを試みたが失敗。
カウント2-2からエンドランのサインに代わり、2人のランナーがそれぞれスタート。大塚はセカンドへハーフライナーを放った。
打球は、セカンドを守っていた住友平の正面へ飛び、これをダイレクトキャッチして、まず一死。その直後、素早く2塁ベースを踏んで、飛び出していたセカンドランナーをアウトにして二死。更に、スタートを切っていた1塁走者にもタッチをして3人をアウトにした。
こうして、誰の手も借りずに1人でトリプルプレーを完成させた。
一打同点のチャンスが一瞬にチェンジとなった東京は一体、何が起こったか分からなかった。しかし、野球は分からない。試合はその後、東京が、8回に榎本喜八の逆転ホームランが出て勝利した。
ちなみに、たった1人でトリプルプレーを完成させたのは、現在日本プロ野球において、住友平ただ1人である。