■江夏の空前絶後の9連続奪三振
西宮球場で行われたプロ野球のオールスター第一戦で先発した江夏豊。
プロ5年目の若き虎のエースは23歳で円熟期を向かえていた。
初回、先頭打者の有藤道世から9番バッターの加藤英司まで、長池徳二、江藤慎一、土井正博、いうパ・リーグの誇る猛者達、9人すべてを全員三振に斬った。
そして、自分の回ってきた打席で米田投手から3ランホームランを放っている。
さらに、驚くことに、前年のオールスターゲームでも連続5奪三振、ついでにこの次の年にも1つ三振を獲っている。つまり、江夏は3年越しに15連続で奪三振を奪ったことになる。
だだでさえ難しい連続奪三振の記録を、オールスターの最高の舞台で奪うなんて、江夏豊を讃える言葉はそう簡単には見つからない。
日本のオールスターでは3イニングしか投げられない。つまり、江夏は対戦するバッターをすべて三振に獲ったわけでこれ以上のピッチングはお目にかかわれない。江夏のこの記録が不滅の記録と言われる所以である。しかし、江夏の伝説の記録から13年後に普通ではことを考えた男が現れた。
江川卓である。