侍ジャパン初戦は劇的逆転サヨナラ勝ち

序盤は緊迫した投手戦

ドミニカ共和国は、ジャイアンツのメルセデスが絶好調。一方の日本の山本由伸は更に、手が付けられない位の完璧な投球。特に6回は三者三振。6回までスコアレスドローでゲームが進む。   

試合が動いたのは、山本由伸が交代した7回。タイガースの青柳がドミニカ打線につかまり2点を献上。本来であれば山本由伸の続投ですが、予選全敗でも決勝トーナメントに出場できる「謎のルール」がある為、稲葉監督が青柳に交代を命じたのではないかと思われます。

ひとつのミスが命取りになる

7回の裏は、浅村のセンター前のヒットで出塁、続く柳田のレフトへのツーベースで繋ぎ、村上のファーストゴロで1点を取りました。

続く2塁のチャンスで、吉田のレフト前ヒットで山田哲人がホームに滑り込むが惜しくもアウト。しかし、山田哲人の足であれば、ヘッドスライディングだったらセーフだったのではないでしょうか?

ドミニカはメルセデス以上の選手はいない

9回の1死から、柳田のファーストゴロで1塁手が打球を捕球するが、投手が1塁カバーに入っておらず、出塁。結果的にこの出塁が勝敗を分けました。普通に1塁ゴロでツーアウトであればスムーズにドミニカが勝利したのではないかと思われます。

近藤健介がライト前ヒットで1、2塁となり、村上もライト前に運び1点差。甲斐のセーフティスクイズでついに同点。そして、満塁から頼れる男、坂本勇人が代わった相手ピッチャーの初球をセンターに運び見事、逆転サヨナラ勝ち。

野球とベースボール

野球とベースボールの違いでしょうか?ひとつのプレーがゲームの行方を大きく変えてしまいます。これが細かくてミスがない「野球」、ラテン系のノリの「ベースボール」の違いでしょうか?

国際大会の重圧の中、いろいろなミスが重なり、重いゲームでしたが結果的に最高の勝ち方でした。侍ジャパン、初戦は背水の勝ち方でしたが、次回は、先行逃げ切りの横綱野球で金メダルに向って勝ち進め。

女子ソフトボール 優勝おめでとう

女子ソフトボールチームが、北京オリンピック以来、見事13年ぶりの優勝を飾りました。

4回の表に、9番、渥美万奈の内野安打、執念のヘッドスライディングで先制。

5回には、2死2塁から藤田倭が鮮やかなライト前ヒットで追加点を奪うと、上野の好投でアメリカを1安打に抑え、序盤は日本ペースで試合が進みました。

見せ場は、やはり、6回の裏の1死1,2塁の場面。

相手バッターのサードライナーを、三塁手の山本優がグラブの土手どころか、左手首に当てはじき、そのはじいたボールをショートの渥美万奈が、ダイレクトでキャッチ、素早く2塁へ送球しダブルプレーを完成。この、ビックプレーが勝敗を分けました。

その後、ベンチに帰るときの笑顔、笑顔、このみんな笑顔には、癒されました。

しかし、実はアメリカにも、7回表にビックプレーがありました。

2死塁から藤田倭が放ったレフトへの大飛球を、リード左翼手のホームランキャッチのスーパープレーでお返し、しかし勝利の女神(女性の試合の場合女神って言っていいものか?)は、日本に見方をして勝利となりました。

解説の宇津木妙子は北京に続き、テレビで解説をしており、前回の北京オリンピックの時と同様に、優勝の瞬間は感情を現し、見ているこちらも感動させられました。

監督の宇津木麗華は、宇津木妙子がソフトボールを通じて中国で知り会い、日本人に帰化しました。その名の通り、妙子とは親子同然の様な関係にあります。

それだけに、今回の優勝は感慨深いものがありました。

今年のオールスターを観戦して感じた事

■今回のオールスターは昨年なかったせいか、第1戦から見どころたっぷり。

まずは、初回の攻撃で2番の森友哉が尻もちをつき倒れ込むようなフルスイングで球場をどよめかせました。そして、レアードがホームランを放つと、お得意の寿司パフォーマンスをして、松田選手にプレゼント、どうやらネタは「ウニ」だったらしい。とにかくパ・リーグベンチの盛り上がりがテレビ画面から溢れていました。

しかし、後半はセ・リーグのペースで試合が進みます。

近本がオールスターの記録に残る7打席連続ヒットを放ち反撃すると、6回には岡本和真がまさかの盗塁をして菊池の逆転ホームランを呼び込みました。そして、ジャイアンツ、ビエイラが大谷翔平の162キロを更新する163キロを連発して、パ・リーグを抑え込むと、9回にまさかの出来事が・・・。

9回ノーアウト1、2塁のチャンスを作ると、原監督は次打者ヤクルト中村悠平になんと!オールスターでは大変珍しい、送りバントのサインを出しました。

これを難なく決め、ランナーが2、3塁となると、近本選手を工藤監督がなんと!申告敬遠。9回2死満塁、フルカウントの緊張の場面で、打席の中野拓夢は2球ファウルしたあと四球を選び、これが決勝点となりました。

2年ぶりのオールスターで、和気あいあいの試合運びかと思いきや、終盤はもつれて真剣ムードとなり、皆、勝負師の顔になってきました。

■第2戦はなんといっても大島選手のホームスチール未遂事件。

8回の表、2アウト2,3塁、鈴木誠也の打席でフルカウントから、なんと三塁ランナーの大島がホームスチールを敢行。楽々セーフでホームスチール成功のタイミングでしたが、ツーストライクに追い込まれていた為に、鈴木誠也はこの球を打ってセカンドゴロ。

この場面、見逃せばストライク三振で無得点になる為、打たなければなりません。

ノーサインだったらしく、この、突然の出来事で、ランナー大島がベース上に現れる危険なプレーの中、バットを出した鈴木は大島以上に見事でした。

そして、もう一つの驚きは、ソフトバンクの栗原選手が三塁、左翼、捕手、一塁を守り、オールスター史上初の4ポジションの守備位置に就いた事です。オリンピック代表選手としてもユーティリティーぶりを発揮して欲しいですね。

共に注目のスラッガー佐藤輝明、杉本裕太郎が期待通り、いずれもホームランを打ちましたが、楽天の島内が決勝タイムリーを放ち、4-3でパ・リーグが勝利。島内がMVPを獲得しました。

そして、第1戦に続きここでも原監督が一石を投じました。

7回のタイガースの梅野が、杉本のタッチプレーを巡り、原監督が、シーズンさながらのリクエストを要求しました。このリクエストが実り、セーフからアウトへ判定が変わり更に、球場を盛り上げました。

原監督は第1戦インタビューで

「個性を出して勝利する事が目的」。

「2年ぶりのオールスターでしたが、ファンあってのプロ野球」と語っていたことが印象に残りました。

今回のオールスターは、コロナ禍の中での開催でしたが、野球界を盛り上げようと選手たちの一生懸命な思いが伝わりました。これからも、夢の球宴であって欲しいですね。

選手の皆さん、後半戦も、いいパフォーマンスを魅せて下さい。

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