東京ドーム開場を翌年に控えた、1987年の10月18日の巨人―広島戦での出来事。
4点のリードをされた巨人が4回裏1死から吉村禎章がカウント2－1からの白武佳久投手の4球目を見送り2－2。ところがスコアボード表示は2－1のまま。
山本文男球審が首をかしげながら自分のインジケータを見ると、2－2になっている。
達川捕手と吉村に訊ねたところ、2人とも2－1じゃないですか？と口を揃えた。
山本球審は納得し、プレー再開となったが、次の球をファウルにし、6,7球目を見送り2－4になって本来なら四球だが、すっかりフルカウントだと思い込んでる球審は四球を告げない。ベンチにいた広島の阿南監督は気づいていたが儲けたと思い、相手の王監督も気づいていたが吉村もあと1本で30本塁打の可能性があり、そのままプレー続行。
そして、2－4から白武が投じた外角の球をレフトスタンドへ叩き込んだ。
次打者、篠塚和典からホントは四球だぞと言われた。本人もおかしいな？と思いつつ打席に立っていた。と笑顔の吉村。
これまで2－4になったケースが3度あったがいずれも三振に倒れており、球界初めての珍事となった。
ちなみに、この試合は巨人が行った後楽園球場最後のセリーグ公式戦でもあった。