東京ヤクルトの奥川恭伸投手が、9月17日のジャイアンツ戦で好投、7回を5安打1失点で7勝目を挙げました。この日もコントロールが抜群で、四球を出さず6試合連続41回3/2を無四球となりました。
この奥川投手、これまでに78イニング3/2を投げて四球はわずか8個。9イニングに換算すると1未満と言う事になります。
余談ですが、近鉄時代の野茂英雄投手は、1試合に16個四球を出して、3失点で完投勝利という、とんでもない強者(つわもの)もいました。
1試合に16与四球の野茂英雄
この奥川投手は150頃超えのストレートも持ちながら、コントレールが良いのが特徴。
これまでの野球の常識では、「球が速い投手はコントロールが悪いのが常である」はずですが…。奥川のピッチングは常識では計れません。
なんと、6月20日のドラゴンズ戦のダヤン・ビシエドに与えてから、約2ヶ月、四球を出してない事になります。
安田猛の無四球記録
しかし、過去のプロ野球には上には上がいるもので、同じヤクルトの安田猛が81イニング無四球と言う、とんでもないNBPの記録を打ち立てています。
安田投手は、ペンギン投法と呼ばれたテンポの良い投球で、遅い球を有効に使い、パラシュートボールと呼ばれる落ちる球で打者を「料理」するのが持ち味。
そういえば、ドラゴンズにも松本幸行と言う、ちぎっては投げる、テンポの良い遅い球で打者を打ち取る投手がいました。
始まりも終わりも田淵
安田の記録は、昭和48年7月17日の甲子園での対阪神戦の8回、田淵幸一の敬遠で歩かせてから始まりました。
9月9日の阪神戦では、2回の裏、田淵をセンターフライに打ち取ったところで、白木義一郎の記録を抜く、74イニング連続無四球の日本記録を更新しました。
そして、この試合の9回2死2塁、阪神1打サヨナラの場面で、またまた田淵を迎えました。1塁が空いているとなれば、チームの負けを防ぐのが最善。
やむを得ず、田淵を敬遠し、あっけなく無四球記録は81イニングで、途切れてしまいました。
しかも、敬遠という何とも言えない結末。
もし、現代であればSNSで大騒ぎになり、物議をかもした事でしょう。
奥川投手の知られざる大記録
6試合連続無四球で、しかも連続クオリティスタートの投手は過去のNBPでは皆無です。
これから先、どんな投手になるのか末恐ろしい若者です。