1981年9月16日 阪急の山森雅文の金網によじ登ってホームランをもぎ取った、ホームランキャッチ。
1回の表、ロッテの弘田澄夫が、阪急山田久志から、打った瞬間レフトへのホームラン、と
誰もが思いました。投手の山田久志は打たれた瞬間、完全にホームランと思っていました。レフト後方に目をやると、山森が背走し、金網のフェンスの最上部に、よじ登っていました。「あいつ何やってるんだろう」と山田久志は思ったそうです。
そして、左手を伸ばし、ホームランと思われたこの飛球を見事にキャッチ。
野球殿堂入りしたホームランキャッチ
このプレーは、アメリカの野球殿堂博物館でも紹介されています。
しかしこの、プレーは単なる偶然ではなかったのです。常、日頃から、大熊外野守備コーチによって、このシーンを想定して練習をしていました。
フェンス迄の距離、歩数、金網への足のかけ方まで研究し、まさに準備、努力の賜物から生まれた会心のプレーだったのです。
福本豊の大舞台でのホームランキャッチ
1974年のオールスター西宮球場での第2戦、田淵幸一の放った左中間への飛球を、背走してフェンスによじ登り、そこから更にジャンプをして観客席の中から捥ぎ捕りました。
「人間業ではなく猿技」だと長嶋茂雄が呟きました。
カープ赤松スパイダーマンキャッチ
2010年8月 赤松真人の忍者キャッチ
8月4日の横浜ベイスターズ戦、村田修一が左中間に放った、ホームラン性の飛球をセンターの赤松が素早くフェンスによじ登り、一瞬のうちにこのホームランの当たりを横取りしました。グランドに降り立っても、ポーカーフェイスを装い、打者村田も狐に包まれたかのような表情でした。
まさに忍者の様な「瞬時のホームランキャッチ」でした。
広島カープ天谷も続く
同じ8月22日 のマツダスタジアムで今度は天谷宗一郎が魅せる。
同じく横浜ベイスターズ戦、ハーパーの放った右中間への飛球に、センターの天谷がフェンスによじ登り、エビ反りになりながらも好捕。こちらは、滞空時間が長く捕球までに少し、余裕がありました。
地元、テレビの「2人目のスパイダーマンが現れました」と実況。
しかも、阪急の金森と同じように、普段の練習から、打球をイメージしてフェンス迄の距離と歩数、フェンスの足のかけ方、上り方まで研究をしていました。年に1度か2度しかないプレーを想定して練習をするなんてやっぱりプロですね。
ちなみに両者共に投げていたのは、同じ左腕投手、斎藤悠葵で相手も同じ横浜ベイスターズ。
だから野球は「面白い」。