佐々木朗希の次元を超えた投球

3年目の佐々木朗希投手が今年、覚醒しました。

1年目はファームで、フィジカルの強化に専念し1軍での登板機会はありませんでした。そして2年目は11試合に登板し、3勝2敗の成績を残すと、今年はブレイクし、大幅に成績を挙げ、史上最年少で完全試合を達成し、同時に17奪三振の日本記録に並びました。

初めて完全試合を達成した藤本英雄のグローブ

理想的な投球フォーム

左足を大きく高く上げ、エネルギーのロスをなくしながら体重移動をさせ、肘から先を巧みに使ってしなやかにボールに力を伝えます。

シュート回転しながらも、しっかり指にかかった形でリリースしています。

批判されがちなこのシュート回転も彼の大きな武器となっています。回転数が多く、伸びながらシュートしていくため、右打者のインコースに食い込んでくるのです。

ストレートの平均球速が160キロ

昨年は、平均球速が150キロ台だったにもかかわらず、今年になって平均160キロの試合もあり、飛躍的に球速がアップしました。

マウンドからホームベースまでの距離は18.44m。140キロの球速で打者への到達時の時間は、0.42秒で150キロの場合では、0.395秒。そして160キロだと0.370秒。

打者はボールを捉える直前の0.15秒は軌道の予測に要すると言われています。すると、160だと0.22秒以内に反応しないと打てません。

そして、身長が190cmもあり、投球に角度がついているため、更にミートが困難になってきます。

自由自在に操るフォークボール

ストレートと同じ軌道、高さからフォークボールが来る為、直球に合わせながらフォークボールにも合わせる必要がある為に、打者にとって非常に困難になるのです。

更に、フォークボールもスライダー回転したり、シュートしたりと打者にとって打ちずらいボールとなっています。そして、ストライクを取るフォークとボールゾーンへ落ちていく空振りをねらうフォークと投げ分けが出来ています。

ボールの握りにも秘密があり、以前、フジテレビで藤川球児さんと出演した時に、ストレートの握りを披露し、その握りは奇しくも藤川さんと一緒で、人差し指と中指の間を空けずにくっつけてボールの縫い目に添えていました。この握りは、ボールの回転を多く伝える握りですが、コントロールしにくいと言われています。

トレンドとなる育成方法

ロッテのこの佐々木投手の育成方法はこれからの、球界の若い投手への育成に大きな影響を与える事は間違いありません。今年も、登板間隔を十分過ぎるくらい開け、そして登録、抹消をくりかえして登板を重ねています。

ドラゴンズの高橋宏斗投手も昨年は体力作りに励み1軍登板はありませんでした。

ファームでも勝利がなく登板自体も多くありませんでした。今年は、150キロを常時記録しブレイクの予感があります。そして、登板間隔を10以上開け、時には1軍登録を抹消することもしばしば。

ロッテの選手の育成の成功は今後のトレンドとなって行くでしょう。

高校時代から注目された佐々木投手ですが、岩手大会の決勝で登板せず、監督が批判されるなど物議をかましましたが、今となっては監督の判断は正しかったと言わざるを負えません。

まだまだ、伸びしろが多く発展途上の投手。

いずれ夢の170キロを到達する日が来るかもしれません。

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