江川伝説 牽制球が速くて捕れない

試合後の予定を入れても大丈夫

江川が登板したある日の試合の7回で、中途半端なファボールを出した時に、中畑清がマウンドへ。「卓、やばい」試合がやばいんじゃなくて「時間がやばい」。

「21時から六本木で食事の約束しているから、何とかしてくれ、卓」

その後、山倉のサイン見ずに投げた。キャッチャーからに返球を受け取ると、振りかぶってそのまま投球をしました。時間短縮の為に。

いずれにしても江川は、ストレートとカーブしかありません。しかし、その通りゲームを短時間で終えてしまう江川の投球は見事というしかありません。

牽制球が酷い江川卓

幌円山球場での試合、高橋慶彦が1塁へ出塁した時のこと。高橋慶彦は赤ヘル軍団のトップバッターで盗塁王を3回も獲得した俊足ランナー。

普段から山なりの牽制しか投げない江川に対して、中畑がマウンドへ。

しょっちゅうフワフワした牽制球を投げるんじゃねえ!

「そういうなら速い牽制球を投げますよ」とやり返す江川。

すると、いきなり速い牽制球を投げたら獲れないと思い、まずは普段通りの山なりの牽制球。

そして、その次に、今まで江川が投げた事のない速いボールをファーストの中畑へ投げました。

投球よりも牽制球の方が速い。

その牽制球を中畑は、その牽制球をバスケットバールの様に見えたと言う。

今まで、見た事のない様な剛速球が、顔面あたりに来ました。

思わず、「うわあ!」と大声を上げて向かってくる牽制球を「あろうことか」避けてしまったのです。

そして、後逸、いや、身に危険を感じて避けたボールはファウルグランドが広い札幌円山球場を転々。そのボールを追いかける、牽制球から逃げた中畑。一体どんな思いでこのボールを追っかけたのでしょう。

そして。1塁ランナーは3塁まで到達。ノーアウトランナー3塁の大ピンチとなりました。

マウンドへ行って声をかける中畑「卓、頼むよこの後、抑えてくれ」

ここからが江川の真骨頂。

その後のバッターを3者三振に取る江川は、本当にすごい。

ベンチに帰ると藤田元司監督に中畑は声をかけられました。

「ピッチャーの牽制球に逃げるファーストがどこにいるんだ!」

「すいません」平謝りの中畑。

ピッチャーゴロで遊び心

ピッチャーゴロは、丁度、打者が1歩ベースの前でアウトになるように投げる。

素早く捕球し、わざとゆっくりファーストに送球を送る。

ゆっくり捕球し、速い球をファーストに送球に送って1塁手の中畑を困らせていたと言う。

ドキドキするか分からなかったでしょ、と語る。

「見方を欺いてどうするんだ」と中畑清。

いやあ、この頃、昭和の野球は面白かった。

バントシフトもいらない江川

当時の江川は本人曰く「牽制は要らない」「その後のバッターを抑えればいいんでしょ」というスタイル。

送りバントもOK。だから内野陣はバントシフトもそこそこだったとか。

それにクイックで投げる姿も、見たこともありませんでした。

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