90打席連続無安打の嵯峨健四郎

昭和40年8月19日、後楽園球場の東映対阪急の試合の19回戦3回の裏に、ネット裏の記録席にて歓声が上がりました。わけの分からない歓声が聞こえました。ネット裏にいる観客は何事が起きたのか?知るはずもありません。

それは、東映フライヤーズの投手、嵯峨健四郎が、阪急ブレーブスの足立光宏投手から2塁の頭を超えるヒットを放った時に起こりました。

実は、この安打が、前年の3月31日の南海戦以来、実に、シーズンをまたがり 1年5か月 「90打席連続無安打」の記録に終止符を「打った」貴重な一打だったのです。

打者、嵯峨投手の内訳は、2四球、7犠打、42三振、29内野ゴロ、8内野フライ、2外野フライ。打数は81。三振率は.519厘。いくら打てない、打たない投手だからと言っても、バットを持っているのです。打てなさすぎる珍記録です。

この日の足立投手は、117球を投げ、散発5安打で完封勝ち。それほどの投手から打ったのだからこのヒットには価値があります。

しかし、その後も、凡打を繰り返して無安打が続き、結局、この年のヒットはこの1本のみに終わりました。

シーズンにまたがって記録された、長すぎる無安打記録です。

シーズンに連続無安打の記録

それでは、1シーズンに連続無安打の人物は?と言うと、

やっぱり、この人、嵯峨健四郎でした。

同一シーズン77打席連続無安打。昭和39年3月31日から9月17日まで。しかし、このケースは投手だから、許される場合も大いにあります。

しかし、打者の記録は深刻な問題です。

岡田幸文外野手の場合

千葉ロッテ、岡田幸文外野手は引退試合の10月8日先発出場し、2打席凡打して59打席連続無安打の記録を打ち立てました。

そして、第3打席でレフト前にヒットを放ち、ついに記録をストップさせると、次の打席でもセンター前に運び、最終打席もライト前にヒットを放って、とうとう猛打賞。長く続いた貧打の後は、打ち出の小槌の様にヒツトを打ち、「打撃は水もの」とは、よく言ったものです。

この、岡田選手は、プロ入りしてから、ホームランは1本もなく、2501打席無本塁打でプロ野球の生涯を終えました。

佐藤輝明の記録

そして、阪神タイガースの佐藤輝明選手が、この日2021年10月3日、セ・リーグワースト記録、59打席連続無安打の自身の記録を更新しました。

そして、三振記録もぬり変えるような勢いです。

豪快な佐藤選手のこと、こうなったら三振と無安打のワースト記録を、今後、誰も破られないような日本記録を狙って欲しいと思います。

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