1991年の広島カープ
1991年の広島カープは、若手の江藤智、前田智徳が代頭し、ベテランの西田真二、山崎隆造、そして野村謙二郎が盗塁王と獲るなど大活躍、川口和久、北別府、佐々岡がMVP、抑えの大野豊が最優秀救援投手と投手力を前面に押し出し、争っていたドラゴンズをかわし、リーグ優勝を遂げました。
優勝は本拠地で飾り、地元のスタンドにいる広島カープのファンと一緒に、優勝を分かち合い、その後、ホームグランドでビールかけを行いました。
神聖なグランドで、しかも、ビールのしみ込んだマウンド、内野グランド。一体、グランド整備をする関係者はどんな思いで見ていたのでしょうか?
これにグランドの神様が怒らないわけがありません。
やはり、その後しばらく広島カープは優勝から遠ざかることになります。
その後、広島カープが優勝したのは、マツダスタジアムに本拠地を移した25年後の2015年の事です。
2015年のヤクルト
この年のスワローズは川端慎吾が首位打者、山田哲人が本塁打王&トリプルスリーを達成し、畠山和洋が打点王と圧倒的な強力打線が看板。そしてバーネットという絶対的な守護神が君臨し、阪神、巨人と三つ巴の優勝争いを繰り広げました。
そして、10月2日阪神タイガースとの最終戦で、延長戦を制したスワローズが地元神宮球場でタイガースを下し、7度目の優勝を決めました。
午後11から外野のセンター付近に選手、関係者が集まり、ライトスタンドに陣取ったファンと共に、グランドでビールかけが行われました。たる酒はもちろん、なんとビール2000本が外野グランドに吸い込まれました。
東京六大学が行われる学生野球のメッカの場所で、ビールかけが行われるなんて、きっと、天国の明治大学の故島岡御大もビックリしている事でしょう。
明治大学の故島岡御大のエピソード
明治大学の監督だった島岡は、ある日の深夜、ふがいない試合をした選手達を宿舎に隣接するグランドに集めました。グランドには神様がいる、「グランドの神様に謝れ」と、星野仙一、高田繁などの名選手と一緒に雨の中、自身もパンツ1丁で正座を朝まで続けました。
優勝を決めたのは神宮ではなかった
広島カープとは違い、6年ぶりに優勝を飾りましたが、場所は神宮球場ではなく、横浜スタジアム。しかもゲーム終了後待機して、阪神タイガースの試合結果を見届けての優勝決定となりました。
よって、グランドに優勝の歓喜は無く、その後、開かれた祝勝会でも、コロナの影響もあり、自粛をしての開催。ビールかけもなく、ノンアルコールビールでの乾杯となりました。
ここにも、ビールかけの呪い、の影響があるのかもしれません。
しかし、ヤクルトにとって幸いなのは、日本シリーズの開催が、神宮球場ではなく、東京ドームに代わった事です。
東京ドームなら「ビールかけの呪い」から抜けられるかも?
いずれにしてもグランドには神様がいる。