1954年、大映の阪本紋次郎が作った10打席連続安打は、37年間もレコードブックのトップを飾っていました。右打ちの決して目立つ選手ではありませんでしたが、7月24日の東映戦の最終打席からスタートすると、翌日のダブルヘッダーで爆発しました。第一試合で2回の1イニング2塁打を含めて5打数5安打。続く第二試合にはシングルヒット2本を放つと、6回にエース、米田泰夫からレフトスタンドにホームラン。1939年の川上哲治に並ぶ、9連続安打のタイ記録を達成しました。
前代未聞のアナウンス
6回に打席に立つと、「ここで坂本選手がヒットを打つと新記録になります」と前代未聞のアナウンスが流れ場内が注目する中、上野重夫から今度は左中間へホームランを放ち、見事新記録を飾りました。
そして37年後
この記録を37年後に抜いたのは日本人ではなく、大洋ホエールズのレイノルズ外野手でした。前年に日米野球で来日し、打率.333厘を残したスイッチヒッター。1991年8月1日のドラゴンズ戦で今中慎二投手から2安打。2日、3日のヤクルト戦の2試合で7打数7安打を放ち記録に王手をかけました。初回にアンダースローの宮本賢治からレフトへヒットを放ちタイ記録とすると、2回の裏の2打席目でライトスタンドへ見事ホームランで新記録
達成。スタンドの声援にこたえたものの、翌日は新聞の休刊日でレイノルズの快挙の記録の偉大さとは裏腹に紙面を飾る事はありませんでした。
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この記録に肩を並べたのは、ジャイアンツの高橋由伸。
2003年6月7日横浜戦、6回に内野安打で出塁すると9回に四球。翌日の8日は、初回にホームランを放つと、ツーベース、シングルヒット、敬遠、シングルで4安打の固め打ち。9日の東京ドームでのヤクルト戦は更に猛打爆発。ツーベース、ホームラン、シングル2本で4安打。翌日も2本のヒットを放ちました。
この間に3個の死球を挟んで、11打数連続安打で日本タイ記録となりました。そして1993年の南渕時高、2003年の日本ハム小笠原道大と並ぶ14打席連続出塁もマークし、新記録も期待されましたが、ルーキの高井雄平(当時はまだ投手でした)のスライダーに残念ながらセカンドゴロに打ち取られました。
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しかし、その後もヒットを打つ
しかし、高橋の凄いところは、その後も7回にホームランを放ち、9回の打席もライト前にヒットとまるで打ち出の小槌の様に打ち続けました。
しかし、肝心の試合の方は、11-19と大乱戦の7末に敗戦。「記録の為にやっているわけではありません」と本人の弁。
ちなみに、種田仁は、ドラゴンズ時代に、代打10打席連続出塁と言うレアな記録を作っています。