報道ステーションの大越健介

大越健介は、あまり知られていませんが、東京大学出身でエース右腕でした。東大の野球部歴代5位の8勝を上げ、ドラフト候補の1人でした。

新潟県出身の大越は、東京大学卒業後、1985年にNHKに入社。岡山放送局、報道局政治部、ワシントン支局、報道局ニュースウォッチプロジェクトを経て、同番組のキャスターに就任。

16年間の政治部記者時代は政権交代や政党の離合集散などを取材し、多くの報道版番組にも携わりました。ワシントン支局時代の2009年には支局長として、大統領選挙の取材指揮にあたり、オバマ・ブームとその背景を伝えました。

NHKニュース9のメインキャスター

キャスターという新しいポジションでも、大越健介のポリシーは変わりません。

「生のスタジオ、生のニュースを扱うので、ドキドキします。でも、ここは腹を決めて、打者に対峙するような気持で、視聴者に1対1で語りかけるつもりで、真剣に向き合います、それにつきます」

「取材を通じて得た情報を原稿にしてリポートする仕事でしたが、これからはネタを料理するのが柱。でも自分で企画提案し、実際に見て感じた事も伝えていきたい、スポーツの現場にも行ってみたい」

一浪して東大

報道人、大越の原点は神宮にあります。新潟高校から「華やかな世界で野球をやるなら6大学しかない、しかも一番出られる可能性の高いのは東大」と1年浪人を経て、赤門軍団の一員となりました。入学当初は、オーソドックスなオーバースローでしたが、体が小さく(身長169cm)通用しないと思い、サイドスローに転向、カーブ、スライダー、シュートを操り2年春からエースとなりました。東大、歴代5位の8勝を上げましたが、それよりも誇れる数字があります。敗戦が27もあるのです。勝ちに絡む責任投手が35試合、先発として4年秋まで、マウンドを守った充実感があったと語ります。

広沢克己との対戦

東大在学当時は、ポーカーフェイスと思われがちですが、実は逆でマウンドでは感情をむき出しになることが多い。

元、ヤクルト、阪神で主軸を打った広沢克己との対戦では、「何処に投げても打たれる気がして、外角にスライダーを投げても、バットの先に当てライトスタンドへ運ぶ、泣きたいところですが、気持ちを奮い立たせて、何とか抑えにかかる。1対1の真剣勝負を野球から学べました」

NHKに入局後政治部記者となってからも、現場に真正面から飛び込んだという。

「記者も1対1が勝負、この人間関係の中で放しを引き出すのが自分の仕事。何人もの強打者と対戦してきたことに通じるものがあるのです。相手がどんなに偉大でも緊張することがありませんでした。真剣な姿勢で取り組むと、そこから打開策が見つかるんです」

記者からキャスターへ転身しても大越の心が揺らぐことはありません。

「毎日が真剣勝負、自然体で視聴者の方とカメラを通して対面しながら、明日に繋がるニュースを語り掛けたい。良いニュースというのは、世の中のどこかに転がっています。もう1回頑張ってみよう、良いものを見たな」と思えるような番組を作りたいのです。

報道ステーションのメインキャスター

そして、大越キャスターは2021年、NHKを退職し、新たなステージ飛躍。

テレビ朝日の看板ニュース番組、報道ステーションのメインキャスターに起用されました。

時折、自ら取材をして視聴者に語りかけるような、キャスターぶりは今も健在です。

参考文献 週刊ベースボール2010年 4・12号

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